ロスカットとは
あるポジションを取っている(注文して通貨を売ったり買ったりしている)状態で、含み損が一定以上に達した場合に、強制的に決済を行ってそれ以上の損失を出さないようにする仕組みのことをロスカットと呼びます。
つまり、自分の思っていた方向と逆方向に相場が動き、損失がとても大きくなりそうになった時に自動で損切りをしてくれる仕組みです。
ロスカットによって、トレーダーが口座に預けた資金以上の損失が出ないようになっています。
つまり、ロスカットはトレーダーを守るための最終手段であるともいえます。
ロスカットされる基準はFX業者によって異なっているので、業者選びの際にはそのような部分も見ておきたいところです。
ロスカットが起きるとき
FX ではポジションを持っているときに、リアルタイムで自分の資金がいくらなのかが計算(値洗い)されます。
つまり、この瞬間に保有しているポジションをすべて決済した場合に、口座の資金がいくらになるのかがリアルタイムで分かります。
その資金とポジションを保持するのに必要な額を比較して、資金が必要な額よりも少なくなったときにロスカットが起こります。
ロスカットが起きる例
ロスカットが起きるタイミングは FX業者によって異なっていますが、以下のような例を考えてみましょう。
自分の資金とポジションを持つのに必要な資金(必要証拠金といいます)とが等しくなった時にロスカットが起きるという業者の場合。
買値が1ドル100円のときにレバレッジ10倍で1000通貨運用したいとします。
その場合には10万円分の通貨を運用することになりますが、レバレッジが10倍なので、必要証拠金(口座に必要な資金の最低額)は1万円です。
つまり、あらかじめ口座に入っていた1万円以上の資金が、含み損によって1万円以下になってしまった時、ロスカットが起きて強制的に決済されます。
ただし、相場の急激な変化などによって完全にその瞬間に決済が行われずに、口座の資金が必要証拠金以下になってしまう場合もあります。
ロスカットを起こさないためには
ロスカットを起こしてしまうと、それまでのポジションが解消されてしまうので、その後に利益の出る方向へと為替が動いたとしても利益を出すことができなくなってしまいます。
そこで、ロスカットが起こりそうになったときに対策をすることで、ロスカットが起きてポジションが解消されるのを回避することができます。
その対策としては以下の2つが挙げられます。
- 口座へ入金をして資金を増やす
- 保有しているポジションを一部解消(決済)することで必要証拠金を減らす
ただし、ロスカットを回避することで損失が少なくなる場合もありますが、損失をさらに大きくしてしまうリスクを認識しておくことが重要です。
また、レバレッジが高いとロスカットは起こりやすいので、レバレッジを低くコントロールすることが大切です。
まとめ
ロスカットは FX でトレードする人を守るための最終手段です。
損失は出てしまいますが、最低限の資金を守るための仕方ないものであると認識しておきましょう。
できる限りロスカットが起きないよう、レバレッジを低くするなどでリスクをコントロールすることが必要です。