移動平均線とは
移動平均線とは、ある期間(足の本数)の終値の平均を結んだ線のことです。
テクニカル分析では、トレードの指標としてもよく用いられます。
足とは、一定期間の始値・高値・安値・終値を、1つにまとめて表示したものです。
ローソク足チャートではローソク足のことを指します。
移動平均線を見ることによって、現在の相場が、上昇トレンド・下降トレンド・横ばい(レンジ相場)かを把握することができます。
- 上昇トレンド:ほとんどすべての足が移動平均線の上にあり、移動平均線の傾きが上向き
- 下降トレンド:ほとんどすべての足が移動平均線の下にあり、移動平均線の傾きが下向き
- レンジ相場:足が移動平均線の上下に分散しており、移動平均線自体があまり大きく傾いていない
移動平均線の期間
移動平均線は、計算に含める期間(足の本数)によって、短期、中期、長期に分かれ、下記が一般的です。
- 短期:15本~30本程度
- 中期:50本~80本程度
- 長期:150本~200程度
移動平均線の期間を短くするほど、相場の動きに近くなります。トレンドの動きを早くとらえることができる反面、ダマシ(※)になってしまうこともあります。
※ダマシとは、上昇(下降)しそうなサインが出た直後にそれとは逆の方向へと進んでいくことを言います。
移動平均線の期間を長くするほど、ゆるやかな移動平均線になります。
長期のものになるほど、移動平均線のトレンドには信頼性が生まれます。
その反面で、トレンドの動きを早くとらえることができないという特徴があります。
移動平均線は3種類
- 指数平滑移動平均線(EMA:Exponential Moving Average)
- 加重移動平均線(WMA:Weighted Moving Average)
- 単純移動平均線(SMA:Simple Moving Average)
相場の動きを反映する早さの順番に上記3つがあります。それぞれ解説していきます。
指数平滑移動平均線(EMA)
加重平均よりもさらに新しい終値に比重をおいたものから計算して出されるものです。
したがって後述する、単純移動平均線(SMA)や加重移動平均線(WMA)よりも、相場の動きを反映するのが早いです。
加重移動平均線(WMA)
新しい終値に比重をおいた加重平均というもので計算しています。
つまり、相場の動きを反映するのは後述する単純移動平均線(SMA)より早いですが、EMAよりは遅いです。
単純移動平均線(SMA)
計算方法は、足の終値を単純に平均したものです。
期間内の過去の足と同じ比重で計算しているため、相場の動きを反映するのは少し遅いです。
単純移動平均線(SMA)の傾きでトレンドを発見したときには、価格がかなり進んでいます。
まとめ
移動平均線とは、ある期間(短期・中期・長期)の終値の平均を結んだ線のことです。
線の傾きと足の関係から、相場のトレンドなどがわかります。
相場の反映順に、EMA・WMA・SMA の3種類があります。
テクニカル分析においてとても重要性の高いものなので是非マスターしましょう。